2010年1月3日日曜日

NHK:「スペイン・オリーブ村でホームステイ」……スペインのオリーブ農家は「素朴」だって

ふ〜ん、この番組:
NHK 暮らしてみる旅~スペイン・オリーブ村でホームステイ~: "ヨーロッパには、恵まれた自然に抱かれた村人の昔ながらの暮らしがある。日本の町や村から1人の女性が足をのばし、ホームステイ。今回は、スペインのオリーブの産地として名高いイノハーレス村を訪ねる。向かったのは、香川・小豆島でオリーブ料理を創作しているかほるさん(58歳)と、タレント・今井翼(28歳)。海外がはじめてのかほるさんは、ホームステイを通し、素朴なスローライフに“豊かな暮らし”を感じていく。"

おいらには、スペインのオリーブ農家はたいへん高度な生産性の高いオリーブ生産をやっていると感じたけれどな〜。とても大規模で、機械化されており、あれなら高品質のオリーブも大量に安く作れるはずだと感心した(スペイン産のオリーブの品質は世界一じゃないか)。でも、気候がオリーブ生産に向いておらず、規模が小さく、国際的に見て非常に生産性の低いオリーブ産地に過ぎない小豆島から來た人には、スペインのオリーブ農家の生活は「素朴」と映るらしい。オリーブ農家の暮らし向きが日本の方が良いからだろうが、ちょっとおかしいな〜。

ニッポンのオリーブ生産地小豆島ではグロソブの保有率が日本平均の三倍にもなる:
■ グロソブの島 - The Fitting Room  : "■グロソブの島
香川県小豆島。瀬戸内に浮かぶこの島で「グロソブ」が爆発的に売れている。世界の債券に投資する投資信託で正式名称はグローバル・ソブリン・オープン。国際投信投資顧問が運用する。島での残高は100億円を突破。人口対比で日本全体の3倍の「濃度」で保有している計算だ。"

グロソブの是非については何にも言わない(日経新聞は批判的だが)。今さら儲けなくてもいいと思う余裕資金をもつ階層にとっては安定的で有利な運用方法だと思う(リーマンショックですべての資産は総崩れになったがグロソブは被害が少なかった)。小豆島の住民はやっぱりえらかったのである。でも元手がないと話にならない話。小豆島の住民は豊かだったのである。

スペインの方が貧しい国だからスペインのオリーブ農家が日本のオリーブ農家に較べて貧しいのは当たり前と思うかも知れないが、ニッポンの一人あたりGDPはイタリアにもとっくの昔に抜かれ、いまではギリシャやスペインにも抜かれかかっている。大した差はない。ニッポンの生産性の悪い農家は、「ブランド」とやらで国民を洗脳し、その生産性の低さにもかかわらず国内で相対的に有利な所得配分を受けているから、はるかに大規模で生産性のいいスペインのオリーブ農家よりよい暮らしが出来るのである。そのツケは都市住民が自分たちの生活水準を犠牲にすることで払っている。これはオリーブに限ったことではない。

こういう経済のゆがみを直してゆかない限り、ニッポンの将来はなく、国民経済の負担の重みに耐えきれず、みんなどんどん貧しくなってしまう。

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